飲食店・・・行ってみたものの、ブログにはとてもあげられないというお店がまれにありますよね。
今日の昼に行ったお店は、そのレベルを遥かに超えていて、ある意味ブログネタでした。
まさに、ドリフの「もしも、こんな店があったらシリーズ」的な昭和チックなお店で、怒りを飛び越えて、笑うしかないという感じ。
私の頭から、一生消えないだろうな〜というほど、衝撃的なお店でした。
もちろん、店名を伏せて、ブログでご紹介致します。
先月末に、某所にて、たまたま一緒になった80代のお爺さんが、「オレ、そば屋どごやっているさげ、食べ来てくれの〜」と手書きメモを頂戴したので、今日の昼、母と二人で、車で30分かけて行ってみた。
お店の前に車がいっぱい!お店の外には、お爺さんが手書きで書いたと思われる看板が無造作に置かれていた。←外観からも怪しい雰囲気が漂っていた
中に入ると、先日のお爺さんが、法被を着て、威勢良く出迎えてくれた。
「先日、○○○○でお会いしまして、早速、食べにきました」と挨拶をすると、「おぉ〜、ありがどさん!美人さんにきてもらえて嬉しちゃ〜!」と、リップサービスは、百点満点!
母が、座ろうとしたところに、ちょうどよい座椅子があったので、使わせてもらった。
すると、お爺さんは、「お母さん、長生きするよ〜!その椅子は、○○寺の最高峰の僧侶が座った椅子なんだ。94歳で亡くなったから、お母さんは、長生きするよ〜!」と言われて、母は、ありがたや〜とその椅子をありがたそうに撫でていた。
私は、お爺さんのリップサービスに決まっているじゃん!と思ったけれど、嬉しそうに座っている母に伝えることができなかった。
ゴールデンウィークということで、次から次へとお客さんが入ってきて、すごかった!
店内は広いけれど、接客は、すべてお爺さん一人でこなしていた!
なかなか注文をとりにきてくれないことに腹を立てている奥様のところへは、「皇后陛下様、ご注文は、お決まりでしょうか?」と、そのお爺さんのリップサービスで、不快感を笑いに変えるという素晴らしい接客術!
案の定、店内は、料理を待たされるお客さんばかりになった。
私たちの隣のテーブルのファミリーは、子供たちが、30冊くらい平積みの山になった漫画本から、本をとろうとして、お約束のなだれ現象!母親は、「もう!何やってんの!」と必死に積み上げていた。
しばらくして、隣の部屋に、どんどんお料理を運ぶ姿が見えた。
「はい、天ぷらのサービスです!」とお爺さんの声が聞こえた瞬間、子供達のわーいと喜ぶ声が聞こえた。
そして、私たちのテーブルに「おまたせしました!」と三色盛りが運ばれてきた。
すると、隣のテーブルのファミリーが、「私たちの方が先に注文したんですけど!隣の部屋の人たちよりも、先に注文したのに、あっちの方が早かったじゃないですか!もう、1時間も待たされているんですから!」との怒鳴り声が飛んだ。
お爺さんは、「あ〜、それは、申し訳ない!で、何を注文されたんですか?」と。
私がオーダーしたものと同じだったら、先に回してあげられたのだけれど、全く違うものを注文をされていたので、回すわけにもいかなかった。
近くの席の皇后陛下様が、「田舎の人は、のんびり屋さんだから、まあ、腹を立てずに・・・」とそのファミリーをなだめたけれど、「帰る!」と言って、帰ってしまった。
お爺さんは、「怒られちゃいました。みんな私が悪いんです。すみません。年に1回位はこういうことがあるんです。申し訳ありません!」と大きな声で、お客様の前で、反省の弁を述べた。
その場にいたお客さんたちも、ゴールデンウィークだし、お爺さん一人で頑張っているんだから、しかたがないよね〜という空気。
さすが!80年生きている人から学ぶことは多い!
で、ようやく私たちの目の前にきた三色盛り。
むぎきり、そば、茶そばなのだけれど、すっかりのびきっていた。
皇后陛下様が、「手打ちそばですか?」と質問したときに、「はい」とお爺さんは返事をしていたけれど、どうみても手打ちそばではないような・・・???
私は、その後も、
「すみませ〜ん。つゆを下さい!」「あいよ〜っ!」
「すみませ〜ん。薬味も下さい!」「あいよ〜っ!」
と何度も、お願いして持ってきていただかなければならず、80代のお爺さんにあれこれお願いするのは、こちらも辛いものがあった。
お盆を使わないので、行ったり来たりの回数が普通の蕎麦屋さんの倍なのだ!
薬味のねぎは、見事に全部つながっているし・・・ゴールデンウィークだから仕方がないというより・・・いかりや長介になった気分であった。
「だめだ、こりゃ!」
ゴールデンウィークに行ってしまった私が悪いのかなとも思う。
しかし、あれだけ激混みになるのであれば、メニューを限定にするか、人員を増やすかのどちらかにした方がよいのでは?と思った。
揚げ立ての天ぷらは美味しかった!
これだけれでも、救いだったから、笑い話しになるのだと思う。
お店の中には、美術品?お宝?的なものがごちゃごちゃ展示されていて、お値段もしっかりとついていた。
このお爺さんが、元気で働けるうちに昭和のドリフ体験をしてみてはいかがでしょうか?(笑)
お爺さんのズボンの下からステテコがはみ出しているところが、本当にドリフのコント衣装にしか見えなかった。
なんだかんだ言っても、明るくて、元気なお爺さんだったから、救われた。