R 第25回『雪の能/まつやま大寒能』山形県無形民俗文化財・山形県酒田市

Rico

2016年01月23日 23:22



『Rico’s Room2』へ、ようこそ♪

2016年1月23日(土)山形県酒田市の『松山城址館』にて、第25回『雪の能/まつやま大寒能』が開催されました。
開演前に、ロビーでは、『松山茶道愛好会(裏千家)』のみなさまによる呈茶が行われ、私も一服頂戴いたしました。
お菓子は、地元の『菓子舗 櫻田』さんの「松山まんじゅう」でした。





毛氈がならび、さすが、城下町のおもてなしという印象を受けました。
嬉しいものですね。
結構な御点前で御座いました。

能楽堂は、満席で、約160名位ということでした。
今年は、椅子が用意されていたので、足のしびれを気にすることなく鑑賞できたのでありがたかったです。





最初は、子ども狂言『きのこ山伏』(松山子ども狂言の会)から始まりました。
子ども達が扮する『きのこ達』の動きや掛け声がとっても可愛らしくて、観客のみなさんの顔がゆるんでいました!
こういう可愛い演技は、子どもにしかできませんね!

狂言のみどころは、パンフレットに書かれている内容をそのまま掲載させていただきます。

子ども狂言
『きのこ山伏』
 夜になると、家の周りに大きな「きのこ」が生え、採っても採ってもなくならないので、何かのたたりではと百姓は山伏に祈祷を頼む。
 山伏はいばりくさって祈祷を始める。キノコは、ますます増えるばかりで、山伏や百姓に悪戯をして困らせる。また「鬼きのこ」も出てきて、山伏が折れば折るほど大暴れする。疲れ果てた山伏は「命あってのものだね」と遂に逃げ出してしまう。
 きのこ達が笠をかぶり、腰を落としてすり足で歩き回る姿が童話的である。この狂言は、小学校の学芸会でも上演できるように作られた「学校狂言」所載の台本を使用している。






続いて、狂言『千鳥』でした。
完全にお笑いの世界でした!
先人達も、この狂言をみて、同じ様に笑ったんだろうなぁ〜と思いながら見ていると、人間の本質は変わらないものだと思いました。


狂言
『千鳥』
 つけで酒を買ってくるように主人に命じられた太郎冠者(シテ)だが、支払いがたまっているため酒屋は酒を渡さない。一計を案じた冠者は津島祭りの話を始める。
 伊勢路で子どもが千鳥を採る様子を、酒樽を千鳥に見立ててまねるが、調子よく囃しながら酒樽に近づき持ち去ろうとするのを見とがめられる。今度は、酒樽を山鉾に見立てて引く真似をしながら持っていこうとするが、これも制止される。
 次に冠者は流鏑馬を再現することにし、馬に乗る真似をしながら走り回り、すきをみて酒樽を持ち上げるとそのまま逃げ去る。
 なんとか酒を手にいれようと、祭りの様子を身振りで演じる冠者の奮闘ぶりが見どころである。






いよいよメインの能『紅葉狩』です。

『紅葉狩』
 ある山で、上臈らしい女が侍女たちとともに、紅葉狩の酒宴をしていると、




従者を連れて鹿狩りに来た平維茂(たらのこれもち)が通りかかる。




馬を下り、道を変えて静かに通り過ぎようとすると、上臈は、維茂を引き留めて酒宴の仲間に誘い入れる。





美人の酌に思わず盃を重ね酔い臥してしまうと、女たちは姿を消した。



ここで、いつもお世話になっている總光寺さんの中学生の娘さんが、八幡大菩薩の使者役(アヒ)として登場し、上臈の正体が鬼であることを夢の中で告げます。

このセリフが長いのなんって!よく覚えられたなぁ〜!しかも、大きな声で堂々と!すごいなぁ〜!と感心しました。
もちろん、セリフに合わせて、ちゃんと動きもあるわけですから、心からの拍手を送りました。

チョコチョコさんは、母親として、かなりハラハラドキドキだったようで、無事に終わってホッとされている姿が印象に残りました。
演じる方も大変ですが、それを支える家族もまた大変なんですよね!よく頑張りました!




 やがて維茂は目を覚ますと、今までの女たちは恐ろしい鬼の本体を現して維茂を襲って来た。しかし、維茂は少しも騒がず、八幡大菩薩を念じながら立ち向かい、鬼を討ち平らげてしまう。

 松山能の特色の一つとして、酒宴の場で舞われる舞は、美女の優雅な「中の舞」である。維茂が眠り込むのを見届けると少しづつ調子が変化し、鬼の本性を垣間見せるところを、是非お楽しみください。





能演が終わってから、会場にテーブルが運び込まれて、『雪見の宴』が始まりました。
竹酒や納豆汁・豚汁などが振舞われ、役者さんや松山能保存会のみなさま方と交流しながら、楽しいひとときを過ごさせていただきました。
能のことがさっぱりわからない私にも、親切に教えていただき、勉強になりました。





その場で、『紅葉狩』の貴重な台本を拝見させていただきました。
台詞のところに、節回しなどの記号が書かれていて、楽譜のようにも感じました。
上の方には、立ち位置や動きなどが描かれていました。
これを見て覚える役者さんたちは、素晴しいと思います。




あっ!これと全く同じ場面がありましたよね!





紅葉の舞台セットも、資料通りに作られていたんですね。
能の伝統を守り続けている方々のお話しを直接お聞きする機会をいただけたことを嬉しく思います。
また、松山地区の方々との新たな出会いをいただいたことに感謝を申し上げます。


『未来に伝える山形の宝』に登録決定
松山城跡一帯を歴史公園として整備したことや「松山能」や「萩野流砲術」などの文化財を活用した様々な事業が認められ、「未来に伝える山形の宝」に登録されたそうです。
私も、總光寺様を通じて、松山にご縁をいただき、お世話になっている身として、何かの形でお手伝いさせていただけることがあればありがたいと思っています。


次回は、花の能「羽州庄内松山城薪能(たきぎのう)」(6月第2土曜日午後6時~)松山歴史公園で開催されます。


<今日の俳句>
雪の能 地域の顔が 集うよさ


↓ランキング参加中!『クリック』で応援をよろしくお願い致します。

人気ブログランキングへ 


にほんブログ村


関連記事