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2013年8月4日(日)
毎年2月15日、17日に上演されるため雪中芝居とも呼ばれる「黒森歌舞伎」。
朝6時から、黒森日枝神社の境内一面にロープを張り、衣装を虫干しするということで、朝7時半に見学をさせていただきました。
東北地方が、ようやく梅雨明けしたということで、朝から好天に恵まれ、長い梅雨の間に、ジメジメになっていた衣装(約600点)が、絢爛豪華に虫干しされていました。
こちらは、今年の正月公演『菅原伝授手習鏡』で、主役の梅王丸と桜丸が着た衣装です。
この衣装で、今年の酒田祭りの宵祭りにも出演していましたが、雨に打たれていましたよね〜。
そんな大活躍した衣装に、太陽の光のシャワーが燦々と降り注いでいました。
この写真の太陽光は、人工的に加工したものではありません。偶然にも、このように写っていたので驚きました。
今年の主役の衣装にこんな風に太陽光が当たっているのは、やはりご神選の儀で、神によって選ばれた主役であるということを感じさせられました。
こんな形の光のシャワーを見たのは初めてです!
まるで、前夜の花火のようですよね!
感動しました
昔の衣装は、立体的な刺繍で驚きました!
この龍の顔は、着物のごく一部なのですが、こんなにリアルで立体感のある仕上げで、とても驚きました。
昔の歌舞伎の衣装が、こんなに素晴らしい物だとは思いませんでした。
江戸時代中期から、酒田市黒森地区で、270年以上伝承されている『黒森歌舞伎』。
その歴史を感じさせる衣装がずらりとありました。
虫喰いがあったり、汗ジミで黄ばんでいるものもありましたが、先人の役者さん達が着た衣装なのかなぁ〜と想像をしたりしながら、見学をさせていただきました。
この写真は、昭和30年頃ということですが、この当時から着られていた衣装が、虫干しされているのだと思うと伝承をするということは、大変なことだということを感じました。
来年の正月公演の演目は、『伽蘿先代萩(めいぼく せんだいはぎ)』です。
来年使用する衣装は、演舞場内に広げられていました。
こちらが、主役『政岡』の衣装です。
“竹もしくは笹に積もる雪”という図案で、「雪持笹(ゆきもちざさ)」という文様です。
そこに、スズメが遊んでいるのが、『政岡』の衣装です。
スズメは、伊達藩の家紋ですので、さりげなく、「伊達家を守り抜いた正義の女」ということをデザインで表現しているのが、粋ですよね!
こちらは、スズメの部分をアップで撮影したものです。一羽ずつ動きや表情が違うスズメが刺繍されていて、この衣装を製作された方の思いの重みを感じました。
この衣装で、どれだけ多くのみなさんの涙と感動を誘ってきたのだろうか・・・そう思うと、一点一点の衣装が貴重に感じました。
衣装の中には、中央の歌舞伎のお下がりを譲ってもらったものもありました。
これには、『十一代市川団十郎着用』と書かれてありました。
農民歌舞伎として伝承していくにあたり、衣装の調達が、大きな課題であることが伺えます。
こちらは、大道具の倉庫です。
小道具置き場もありましたし・・・
私がまだまだ知らない黒森歌舞伎の裏側がたくさんあるということを知りました。
昨日は、朝6時に地元の男性陣が、衣装をロープに干し、午後1時には、これらの衣装を取り込み、地元の女性がやってきて、綺麗にたたまれたのだそうです。
黒森地域のみなさんが、力を合せて270年もの間、脈々と伝統を受け継いできたということに頭が下がりますね。
私は、黒森歌舞伎押絵のデザイナーとして、もっともっと、黒森歌舞伎のことを知らなければならないと思いました。
来年の黒森歌舞伎押絵『政岡』ですが、今月中には、材料が全て揃うということで、いよいよ試作品作りに取りかかれそうです。
早く作ってみたくてうずうずします
私の仕事は、伝統ある黒森歌舞伎の主役を「押絵らしくデザインをする」ということだと思っています。
黒森歌舞伎押絵倶楽部のお母さん達のあたたかい温もりのある押絵作品に仕上げたいですね。
このご縁をきっかけに、もっと広くたくさんの方々に、黒森歌舞伎の素晴らしさや楽しさを伝えるお手伝いができたら、ありがたいと思っています。
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